数寄屋門をくぐれば、そこは盆栽三昧の別世界が広がります。
お越し頂いた皆様に盆栽の美をご堪能頂くために設けられた和の空間庭園。本格席飾りを楽しむ応接室、十数点の席飾り展示可能な庭園内展示室、枯山水の意匠を織り込んだ盆栽鑑賞庭園、そして傍らに佇む観音堂。
皆様のくつろぎの場としてお楽しみ下さい。
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雨竹亭 本店庭園の正門です。数奇屋門と言われるこの門で全ての盆栽・水石をお楽しみくださる皆様をお迎えさせて頂きます。そして、門を入れば盆栽の三昧境が広がっています。
雨竹亭は、陰陽道や方位学など日本の古い教えに則って、陽の良き気をお客様と一緒にお迎えする方角を大切にしています。数寄屋門は、雨竹亭全体の辰巳の方角に門を開く形としてお迎えしています。
門の右手に見える「雨竹亭」の看板は京都名刹大徳寺芳春院のご住職ご揮毫(きごう)によるものです。
盆栽の文化を伝承させる団体として設立されたこの会の事務局としての役割もしています。
数寄屋門をくぐると、寂砂利の引砂で設えた広い庭園が見えます。
右手に観音堂、左手に展示場、観音堂奥に応接間。
遙か向こうには何百何千という盆栽達が生きる培養展示場が控えています。
雨竹亭の庭園は盆栽を愛する皆様と共に日本という国が長い歴史の中で築いた自然や様々な教えに対する思いが込められています。
雨竹亭の庭は観音堂を中心とした円相(禅僧が筆ですっと書いた円の事)の姿となっています。
円相を立体として現した庭園でもあります。
本来観音堂はこの数奇屋門からすぐ届く程の右前一番近い所にあります。
訪れた方々は皆様この観音堂を一番に目にしますが、すぐに観音堂へ歩いては行けません。
左回り左回りと一番遠回りをしなければなりません。
数寄屋門を入って一番目の前に、日光連山の神橋を流れる大谷川の源流付近より半世ほど前に採取された、舟形の天然石が敷砂利の大海原の中央に据えられています。
訪れた方がまず目につくものですが
この石には手は届きません。
この舟形石は観音堂へと向かっています。
これは人々の“どう生きるべきか”の教えの道を諭しています。
人は“悟りの世界”へ近づきたいのですが、直接この舟に乗って観音堂へは伺えません。人は遠回りしても様々な事象を体験して辿り着けるということを示しています。
この庭園の中には様々な石造美術が据えられていますが、広い寂砂利の中にひときわ大きく七重の石塔が立っています。
これは鎌倉時代の作品で、元は盆栽・水石界を牽引した片山貞一翁の都内文京区、東京大学裏手の邸宅にあったものです。
そこから20年近く前、長野県小布施の盆栽美術館が創建されたときに、たっての願いで片山家から小布施の美術館へと贈られました。
小布施の美術館のシンボルとしての時代を経て、この雨竹亭庭園が完成する際に移動となりました。
元は夏目漱石邸にあったものと伝えられ、片山邸と夏目邸は僅か300メートルという位置でした。
東京大空襲の昭和20年3月に焼夷弾を受け、火を被ったために大変もろい状態になっていますが、戦火をくぐり抜け、人の救いを貫いた七重の塔は今、羽生のこの地で盆栽と訪れる人々の平和を見守っています。
庭園の築山の中に一本の梅の古木があります。100年以上の樹齢を持つこの樹は、雨竹亭がここに出来る以前から江戸時代より、この地で大名主として農民を見守った飽戸家の庭木だったものです。
10年前、当時の名主跡を整地する際、この梅の木だけは残し、雨竹亭の“守り樹”としました。
延段の路地は展示場へ向かい、七重の塔の脇を通りながら応接展示場と、奥の培養場へと向かい、分かれます。
この敷砂利の中に幾つかの盆栽が置かれています。
観音堂を中心として構成された“円相”の中にある盆栽、つまり雨竹亭では盆栽は曼陀羅の中に描かれた仏達のような気持ちで守っているのです。
人より長い生命を持ち、それでもその命を人の愛情に委ねる心…。
盆栽は私達にあらゆる深いものを与えてくれます。
赤松の背高い木が庭園を見守っています。
梅と松、日本を代表する二つの樹は穏やかな丘陵に見立てた築山に植えられ、この築山も“日本”という大八洲(おおやしま)を表現しています。
庭園の一番奥側に板門があり、その向こうは二千にも及ぶ盆栽培養棚が広がります。
正門である数寄屋門と、この板門は方位学でいう辰巳の線上にあり、“陽の気”を雨竹亭内全域へ導く門としての役目も担っています。
その健やかな“気”を受け、盆栽達は人の愛情に守られて育っています。
この庭園で盆栽に使われている石柱はすべて奈良地方より運ばれた時代の古い物です。
昔は立派な灯籠の一部だったものが数百年の間に他の部分が欠けたり、傷んだりして、柱だけになったものを“見立ての美”として生かしています。
この見立ての美も日本の文化に大きく関わる要素です。
ここにある蹲は南北朝時代の多宝塔の傘の一つを見立て使いで蹲にしたものです。
“日月の蹲”といわれるもので、水部分は三日月と日輪を表しています。
月と日輪。
この地球にある自然を司る一番大きな象徴がここにあり、雨竹亭の守り水として水を湛えています。
僅かに一つの四方形の角が欠けています。
これもあえてかけているものを選んだのは、盆栽も含めて、物事の道理は“完璧は無い”どこか一つは物足りない。
完全ではないその中に日本美の美しさが有るということがこの蹲に込めています。
歩く飛び石も全て天然石を使っています。川から揚げられたものを一歩づつ歩けるように設えています。
陰陽学の“丑寅の方角”(およそ北西から南東への線上、疫病や災難をもたらすとされてきました。)には鬼門封じの三石塔が建っています。
一つは観音堂脇の三重の塔(平安末期のものです)そこから鎌倉時代の七重の塔。
そして向かう先に明治時代の作、鞍馬石で造られたの常夜灯の役目をする石塔があります。
これは埼玉県出身で明治政財界の巨人と言われた渋沢栄一翁の旧蔵のものです。
この3つの塔を繋ぐ線が結界としてこの羽生雨竹亭の鬼門を封じ込める役割を果たしています。
観音堂に上がる正面は小瓦で作った火焔(カエン)の踏み石という形をとっています。
中は瓦の紋で月と水を現しています。
火焔が日輪。そこに月と水。
司る自然のすべてを踏み越えて上がる観音堂となっています。
この観音堂は古民家再生NPO法人に依頼して茨城の地より運んだ約150年前の古い古材を中心に建造されています。美の巨人と謳われた岡倉天心の作った、茨城県五浦の日本美術院における天心の移住地にあった一部が使われています。
質素な観音堂ですが基壇造り、土壁など全て古法に倣って造られた“質素の中に格式ある”観音堂です。
雨竹亭のシンボルでもある観音堂は大徳寺芳春院のご住職によって開眼されました。
約150年前の古材を使った堂で質素な佇まいですが、基壇、“むくり四方”の屋根など門に秘めた格を備えています。
基壇正面右手の二つは京都大徳寺総紋とご揮毫をお願いした開眼禅僧である芳春院の梅花紋となっています。
これは芳春院が戦国大名前田利家の妻、お松の方の建立によるもので前田家の家紋を使っているのです。
この2つが観音堂基壇の守り瓦となっています。
向かって左は日本の陰陽を司る安倍晴明に代表される安倍家の家紋である牛旁星紋が嵌められています。
盆栽は古くは唐の時代、仏教と共に中国から日本にその起源が渡来し、千年以上の中で日本独自の文化として完成されたものです。
仏教や神道の中の陰陽など、そして百年の盆栽も僅か数年の苗木のような盆栽もその尊さは等しい事をこの雨竹亭で感じてください。
雨竹亭の守り樹「富士越の龍」
この観音堂に安置されている古木は戦前、真柏盆栽の名木と謳われた「富士越の龍」です。
盆栽大家として名高く、戦後私財の全てを投げ打って国の復興に尽力された田中啓文氏の愛樹でした。
東京大空襲によって、三百年の命を閉じたこの樹は、戦後大切に保管され、縁あってこの堂の“守り樹”となりました。
樹に添えた短冊は、この堂を開眼された京都大徳寺塔頭 芳春院ご住職秋吉則州氏によるものです。
枯木再生花「枯木でも人の心が再び花を咲かせる」の意です。
命の尊さと、平和への願い
その象徴が盆栽です。
堂内には唐の時代の観音石仏が本尊として安置されています。
観音は正式には、観世音菩薩と言われ、仏界の頂点である如来に継ぐ位置にあり人間にとって最も親しみのある仏です。
観音は私たち人間、植物など自然界に生きる全てのものの中に有る苦しみや悩み、業を受け取り、救い導くとされています。
苦しみや痛みを取り除いてもらい、この世に生きる私達も含めて災いや災難を救って頂く為にここに観音様は安置され、我々と盆栽を見守っています。又、盆栽作家として樹を“切る”根を取るなどの一歩間違えば“人間の欲”の為に樹の一生を変えてしまうことへの戒めの役目も任っています。
人は最後に“救われる世界”に向かいたい、という思いに辿り着きます。
ただ、そこには人生という長い道のりを歩かないと辿り着かないという教えが庭(人生)を歩いて(旅)してこそ観音堂へ入れるという「円相庭園」に込められているのです。
この庭は盆栽と、取り巻く世界が、“人は如何に生きるか”を教えてくれる哲学を持つ日本の精神文化であること伝えています。
十席以上に及ぶ連続展示可能な大型展示室。
個展や盆栽教室等のイベント展示にもご利用いただけます。
床飾りを眺めながら談笑できる応接室です。
須弥山の庭園と観音堂を借景とする盆栽達をご堪能下さい。
樹鉢・水石・卓など、様々な用の美をご覧い頂ける二つの展示室は、収蔵庫を兼ねながら国内最大の質量を誇るものです。
盆栽は日々の培養や手入れで美しく完成していくものです。
四季を通しての樹のための施術を行っています。
毎週日曜日の盆栽教室は、初心者からベテランのアマチュアまで実技指導を基本としてプロの隠し技も習得できるアットホームなスクールです。
陽の光、そよぐ風、健やかな水。
盆栽達にとってすべての条件を備えた楽園といえる培養場です。
散策をしながら様々な樹々達と対峙して彼等の清らかな声を聴いてみて下さい。
主に松柏盆栽を展示しております。
松柏盆栽の購入はこちら
多くの雑木盆栽・花物盆栽・実物盆栽を取り揃えております。
移りゆく季節をお楽しみください。
雑木盆栽の購入はこちら 花物実物盆栽の購入はこちら
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「掌上の大自然」ミニ盆栽は、幅広いファンを持つ可愛らしいジャンルです。
素材から名樹までご堪能下さい。
古いものから新しいものまで、実用的な鉢を数多く取り揃えております。
お探しの鉢に出会えるかもしれません。
国内最大級、約1000点を超える盆器・卓・添景・掛け軸など栽界を代表するコレクションを誇る展示室です。
悠久の歴史の中で生まれた至宝の名品をご堪能ください。
お客様よりお預かりした盆栽は、ここで管理・育成しております。
(盆栽お預かり中以外のお客様には非公開)